今回は、某パチンコチェーン営業部長でありブロガーでもある楽太郎さんにインタビューしました。
自分の場合は毎回Skypeでインタビューしているのですが、今回は流石に営業部長ってことで声がNGな為に文面でのインタビューとなります。
それではどうぞお楽しみください!
大学生時代のアルバイトも含めれば、18年ちょっとです。
アルバイト2年7カ月、他業種の会社員生活後、現在のホール企業に転職して試用期間(契約社員)約半年、ホール正社員約半年、ホール主任約1年、管理職約1年、上級管理職約1年、副店長約1年、店長11年ちょっと(震災以降、社内的な事情で3店舗を管理中)、こんな感じです。
大学生時代のアルバイトがきっかけです。当時はパチンコスロット業界が色んな意味でとても元気で、特にスロットは機械性能的にもどんどん発達していくのを目のあたりに出来たので、面白みがある業界だな、そう思いました。
前述の通り、現在のホール企業に転職してから5年と1カ月?2カ月?そのくらいです。
今日からこの鍵持て、今後は朝1時間早く来てこれやれ、営業中●時にこれ書いてメールしろ、閉店後この体裁で書面作って営業報告しろ、賞与の査定やってみるか?釘叩いてみるか?設定入れてみるか?新台選んでみるか?売却管理書作ってみるか?・・・色んな場面で、全部「ハイ!」と元気良く応えていたら、気が付いたら店長になっていました。
震災以降、系列店の店長が2人退社し、「ところてん式の人事は止めにしよう。相応しい者が育つまでは、とりあえずお前が管理しろ」と営業部長から天ぷら屋(まずい)で唐突に言われ、それにも「ハイ!」と元気良く応えたところ、3店舗みることになってしまいました・・・
スロットはバジリスク絆など天井狙いが効くもの中心で月間プラス10万円くらい、そのプラスは自店に設置していない新し目の機種の養分打ちで溶かす、こんな感じです。パチンコはかなりシビアに釘を見て打つので、導入して日が浅い機種で数値を落とし切れていない台やライトミドル機種で立ち回りプラス収支にして、それを自店に設置していない機種の養分打ちで溶かす、こんな感じです。
なので、収支的にはちょいマイナスだと思います。これはもう、近隣店調査というか仕事の一環でもあるので仕方ありません。給与には他店探訪費的な意味合いの手当てが含まれているので、ある程度はお客さん目線で打ちに行くのは当然かな、と思っています。
プラス収支にしたいのはやまやまですが、こういった実戦の経験から、例えば中古機を購入する状況になった場合など「この機種が12万なら、今買ってウチに置けば、それ以上の貢献はするだろう」といった具合に見当をつけられるので決して無駄にはなっていない・・・と思います。
バジリスク絆:打ち始めのポイントさえ守ればプラス収支の維持が可能なので、月間5万円以上は手堅くプラスになります。パチンコは、羽根物好きなのですが、試しに弾けるような釘調整の台が少ないのが辛いところです。投資金額10,000円くらいでプラスに出来そうな確率帯&釘調整の台を探しますが、それも困難な状況です。いずれにしても、そんなにのんびり打つ時間や体力的な余裕はないので、どんな状況であってもちょい打ち程度です。
会社的には、月6休となっています。ですが、シフトを組まれたりタイムカード管理されているわけではないので、自分が必要と思えば店に居ますし、そうでなければ遊技機を見に行ったり、外で面会したり、私的な時間を過ごしたりと、かなり自由に行動しています。自分ルールとして、毎日必ず1度は仮に30分間だけであっても、どこかの店に顔を出すと決めているので、丸一日全く出勤しなかったという日は最近10年間では親族の忌引きの2日間と、インフルエンザにかかった時の4~5日間だけだと思います。そろそろ20代後半~30代前半の上級管理職連中が育ってきたので、今後は純粋な公休日をとることが多くなるかと思います。
記憶の限り、正式に申請して消化したのは、前述の通り最近10年間では2日分だけです(忌引き)。上記の通り、そもそも時間拘束というか勤務日数拘束はされていないので、休みが必要なときは(任せる者が居ればですが)勝手に休みます。なので、私にとっては不要です。部下には、適当な理由を付けてガンガン使えと指示しているので、皆勝手に消化しているようです。
料理:けっこう手の込んだものも作ります。
贈り物:親族や友人に季節の折々に何か贈ったり手紙を書いたりします。
犬の世話:散歩に行ったり、耳●ソを取ってやったり、爪を切ったり、肉球の隙間の伸びた毛を切ってやったりします。
最近ではブログを始めたので、その更新も趣味と言えます。あと、趣味かどうかはわかりませんが資産運用が好きなので、投資信託やFXのスワップ金利収入などで皮算用をしてニヤニヤしています。
タフさ だと思います。体力的にも、精神的にも、ちょっとやそっとでは動じないくらいの強さというか、良い意味での鈍感さというか、いちいち細かいことを気にして滅入ったりしないような天然さみたいなものが必要だと思います。他業種とは異なり、基本的には1年365日無休の営業店舗を管理しているので、何でもキッチリ管理しようと気を張る繊細なタイプの人は苦労すると思います。
関わる人が多いので、そこらへんに面白みというかやりがいがあると思います。
ただし、近年では遊技客も店に出入りするスタッフの数も大きく減少したので、その面白みというか、関わることで得られるやりがい的なものも減ってきていると言えます。なので、私自身、40歳を過ぎた今後は新しいやりがいというか目標の設定が必要なのかも知れません。
営業規模や考え方が異なるので、勝ち負けというよりは、いかにウチの独自性を出すか、認知してもらうかに重きを置いています。
どんどん新規出店して、という拡大志向の会社ではないので、そこらへんは結構気楽にやっています。近隣他店の牙狼が集客しているなら、自店では牙狼を打つ金銭的な余裕がない客層に軽めのスペック機を多機種設置したり、来店ポイントでお得感がありそうなものを用意したり、規制下であってもまだ色々と出来ることはあると思っています。
会社が要求する数字さえクリアしていれば、うるさく言われない社風なので助かっています。現状では、必要な数字からショートしても、まあ許容範囲だなと思ってもらえるくらいには軟着陸させることが出来ているので、それが困難になってからが本当の勝負なのかも知れませんが・・・
良い意味でも悪い意味でも自由というか、自分で考えて自分でやるように接しています。私自身が会社から無茶苦茶厳しく管理されてキャリアを積んできたので、その反動がきて、部下には何も強制しません。
例えば、報告書の作成は禁止しているので(体裁を整える時間が無駄。電話やメールで十分)、店舗異動などで私以外の人の管理下に入った時に、報告書の書き方がわからなくて苦労したとか文句を言われる時もあります。でも、各自がその時々に必要だと判断したスキルや事務能力を自分で考えて身につけようと努力しているのが見てとれるので、それはそれでOKかな、と考えています。
釘調整なども、「今月、この機種を台平均アウト20,000個以上、台粗利5,000円で叩いてみて。風車の角度変更は禁止、傾斜の変更も禁止、それ以外はなんでもOK」こんな感じでかなりアバウトに指示します。キャリアアップする者は自分で考えて勝手に伸びてきますし、極限まで困ったら解決案を聞いて来ます。辞めていく者は、うまくいかないのを環境(会社や私)のせいにして退社していきます。自力で工夫や努力をしない者は去っていくので、会社的には人材の新陳代謝が進むのでまあ楽太郎的な教育方法もアリなのかな、くらいの評価は得ている模様です。上級管理職の中には「ウチの店長何にもしないから、自分が頑張らないと」と頼もしい事を言う者も出て来たので、この先が楽しみでもあります。
規制には波があるので、これまでも緩んだりきつくなったり変化はあったと思います。ただし、直近の数年間で業界に求められていることは今後は緩むことはないと考えます。
良い意味でも悪い意味でも大らかな風土にあったパチンコ業界ですが、世の中的な法の厳格化の流れや、社会的な弱者の保護という観点でより厳しく規制が掛っている現状です。
この現状は他業種に対しても同様のことが言えるので、決してパチンコ業界だけが厳しい目で見られている訳ではなく、仕方ないことと言えるかと思います。
パチンコに関しては、営業システムの変更や現場レベルでの現状打破はもはや不可能に近いと思います。
敢えて可能性を挙げれば3つあります。まずは、陳腐な言い方ですが①「面白い遊技機の登場」と、②「ホール経営陣が粗利益期待値を下げることで、打ち手のお財布から出ていくお金を減らしてあげる」こと、これが出来れば、遊技人口の低下には歯止めがかけられるかと思います。
2005年過ぎくらいから見ていくと、打ち手にとっての500~1,000円の価値が変わり、遊びの選択肢が多様化する中でパチンコはビジュアル面以外はほぼ進化しなかったので、1PUSH500円の玉貸しボタンを押すだけの価値がないものになってしまったと考えています。それでも、遊技機の値段はどんどん値上がりし続けています。価格上昇の原因はメーカー側のタイアップコンテンツの維持(著作権)と営業マンの人件費などの固定費にあるので、失礼な言い方かも知れませんが、これが可能性③「メーカー側は自社コンテンツで開発し、新台案件の受付・販売管理はweb化(受注生産の割合を増やす)」すれば、エヴァ・ルパン・ガンダム・仮面ライダーなどの旬が過ぎたタイアップコンテンツでいつまでも続編を売り続けて失敗することも少なくなりますし、まともな提案もできない(存在価値が無い)営業マンの人件費もカットできるので、結果的には遊技機の価格を下げて販売条件も緩和できてホールの負担を減らすきっかけになるかと思います。
営業マンは昔のように納品時に釘を叩いたりしていた頃は価値があっても、今は納品時の挨拶にも来ない輩ばかりなので、ただのクレーム時の対応係になり下がっています。これを維持し続けるのは、メーカー側にとって大きな負担だと思うのですが、どうでしょうか。
稼働(アウト個数&IN枚数)と粗利益のバランスが良かったTOP3、と言い換えさせて頂くと・・・
①CR新世紀エヴァンゲリオン奇跡の価値はSF
②CR牙狼XX(初代)
③CRAKB48V8(初代)
①アイムジャグラーEX
②バジリスク絆
③北斗の拳転生の章
こんな感じでしょうか。CRルパン三世消されたルパンのミドルも、3位をぎりぎり争うくらい優秀でした。
所属会社が潰れない限りは、あと10年は必ず居ます。現職の営業部長からは、だいたい3年以内を目途に今みている3店舗の上級管理職をそれぞれ店長に昇格させて、私自身は一旦店舗責任者から離れるように指示されています。
現職の営業部長の定年退職があと5年先くらいなので、その後、後任として業務にあたるという見通しです。
ありません。まあ、20代の頃は今にしてみればかなりハードワークだったかも知れませんが若く体力があるので苦にもならず、30代の頃は管理職として色々と面倒な事があっても、それが全部当り前というか通るべき道なんだと思ってやってきたので、辛いとか苦しいとか考える暇もなかったというか感覚が麻痺しているというか、ある意味バカなのかなと思います。
これも、機械的なもの、人が関係するもの色々ありますが、心底大変だと思ったことは何にもありません。営業中に1時間停電しようが、排水管が破裂して床が水浸しになろうが、消火器が暴発しようが、水槽が落下してお魚さんが床でピチピチ跳ねていようが、ヤ●サ風の方が「クロークに預けたバッグに入れてあった500万円が無くなっている」と凄んで来ようが、不謹慎ではありますが「パチ屋は色んなことが日々勝手に発生して、退屈しなくていいや」くらいの感覚でやってきました。
以上で、対談は終了となります。
いや~~。
自分の質問に対して、これほどボリュームのある返答がいただけるとは‥。
とても嬉しい限りです!
今回のインタビューで業界の中身に触れることができましたし、リアリティがあってすごく面白かったですね。
定年を迎えている部長さんでブロガーって人もなかなか少ないと思いますし、非常にスキルがあり、時代に対応した方なんだなと思いますね。
楽太郎さん、また機会がありましたら対談しましょう!
今後とも宜しくお願いします(^o^)
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