ふとパチンコ店の駐車場を眺めるとかなり大きめの野立てがあった。
そして、野立ての側面には上に登るための突っかかりのような物があったので、何となく上に登ってみたのだった。
頂上まで登るのにはそれほど時間は掛からなかった。
大体1~2分くらいか。
そして、頂上到達後の町の風景は私が予想していたものと違った。
大都市が広がっていたのだ。
そして、その都市は何となく無機質というか作り物というかCGっぽかった。
これは、いったいどういうことだろうか。
とあるパチ屋の看板に登ったら、現実世界とまったく別の風景が広がっていたのだ。
そこには小学生も知っているピラミッドがあった。
さらに別の角度では・・
さらに別の角度では・・
さらに別の角度では・・
このように自分を取り巻く360度の風景に様々な世界があった。
下に広がっている世界は、風景というより下界そのもので神になった気分だった。
いったいなぜこんなことが起きたのだろうか?
私は次の瞬間、そのすべての理由がわかった。
そう。私は知らず知らずのうちにアクロポリスの丘を登っていたのだった。
「ここはアクロポリスの丘だったのか。こりゃあ、そういうわけだ道理で・・」
アクロポリスの丘にはゼウス(神)が住んでおり下界を見下ろしている(私の勝手な解釈)。
私は人間でありながらその場所に登ってしまったのだ。
私はその絶景にひたすら感動していた。
その後、この下界に広がるパノラマを動画に収めようと思いポケットから携帯を取り出した。
こんな映像を動画に収めてYouTubeにアップしたら莫大な再生回数になることは確実。
その確実さたるや、ミリオンゴッド凱旋の天井到達後いきなりV揃いでゴッドゲームがスタートした時と同じくらいの確実性と同時に興奮を覚えた。
私はクルクル回り、360度の絶景を撮影した。
しかし、1~2分するとある異変を感じた。
足元にはいつの間にか砂漠が広がっていたのだ!
下界のパノラマは広がっているのだが、自分の足元には砂漠の世界があった。
ただその時に私は悟った、これは砂漠でもアクロポリスの丘でもなくパチ屋の野立てであることを!
つまり見かけは砂漠でも数メートル歩いて足を踏み外せば、野立てから落ちて死亡するということだ。
それを知った私は焦った。
「やばい。今の状況は命に関わっている」
そして、すぐに悟った“禁忌”を犯したということに・・。
360度の様々な世界を一望するという神の領域に、人間が足を踏み入れてしまったということ自体が禁忌であるのに、しかもそれを撮影してYouTubeにアップしようとしたのだ。
それは神の怒りを買うのは当然だろう。
私に残されたのは“死”しかないのか?
ただ、その時の私は妙に冷静だった。
何故なら、これは夢なんじゃないかと薄々感づいていた。
その後、目が覚めた。
時計をみると時間は6時だった。
寝たのは3時なのにもう目が覚めてしまったのか。
起きて仕事しようと思ったが無理やり寝ることにした。
その日は午後に取材して、夜には大宮ですろぱちくえすとのだてめがねさんと飲んで、ネカフェに止まった後に楽園大宮新館で設定狙いする予定だった。
だから、体力を温存しないとヤバイと思った。
完
(完全ノンフィクションですw)
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